いま一歩 ぼくのなかを
神があゆむだろう
―骨はことごとく裂け
冬は閃光にみたされている
夜が夜をおいぬく時
ぼくの耳元で
―羊水がゆれた
すべての膝というひざへ
さらなる雨だれがある
たどたどしく はじまる
―失明が
ぼくの外で
はかりしれない内部で
暗闇が結実する
ベッドの上で 毛布は
闇にまでひきあげられた
―つづけざまに
海の過剰があった
お前の喉の奥底
あらゆる破船の着岸点で
お前の額を照らす
それだけの 十分な
光りがある
ゆっくり穀粒を押しつぶす
ただそれだけの 十分な
猶予がある